☆はじまる

はじめ入ってきたら合図

信濃町駅前or外苑で“ヘアーイン”をしてから千日谷会堂に集ってくることも考えらる。できるだけ入場料を払わせるようにしむけなければネ

会堂の中、ロビー、混雑している（客や演出者）
ヒッピーやG.S、フォークの連中など歌ったり（God Save our Kingを歌う）踊ったりしていてもよい。そのうち落ちついてくる。イエローサブマシンセットされる。

ガリバー　客の中をかきわけて探しものをしている。四、五分、手に懐中電灯。サブマリンの上に芥かけてくる。ガリバーをみつける。

芥　ガリバー、何をしているの？（極めておしばいがかって）

ガリバー　……探している。見つかんないと大変なんだぜ。

芥　ガリバー、おまえの探しているものは死んだよ。おれとおまえが殺したんだもの。──おれとおまえがガリバー、「見飽きた夢」を殺した。

芥　ガリバー　（二人抱きあい）「風」は死んだ！ゲタハゲタゲタタゲハハハ（おおらかに笑う）だからもうプラスティクなんだよ。我々は美そのものだもの。

ガリバー　芥、このライトもらっていい？

我々の「メインタイトル」スクリーンに写しだされる
芥とガリバー手をつないでスクリーンの前の方へ行く　ふりかえる。どこかへ走って行く。場内、まっ暗。テレビだけがついている“イエローサブマリン”入る

（暗い中）

フーテン達外からかけ込んでくる
或はうじ虫のようにはいつくばって
花を持ったもの、松葉杖のもの、さまざま。ぶつぶつ何か言っている
スクリーンに映像「横尾ちゃんだァーいすき」フーテン達映画にたわむれる。

──イレロイレロブルーンブルーンッ　ツッコメツッコメ　ブルーンブルーンッ　運べ運べ　ブルーンブルーンッ　ウンコウンコブルーンブルンッ…………ダメ？………痛いのよ………まだよ………ゲゲゲ………ハンカチかして………イッヒヒッ　イッヒヒッ　ウンコウンコ………イレロイレロ………エヘヘヘェーウンコ　ウシッシッ　ウンコ　ウンコ…………食え食え

サブマリンにつんである照明ライト客を照している。映画は終っている。テレビの音ハイで場内に

ダアレェ〜このウンコ　ソレボクの！イッヒヒヒィ………ウンコウンコ！ごらんの各社が作りました。ツッコメウンコ！…………大東亜共栄圏のウンコ………サイケウンコ………ツッコメェウンコ………うっとりしちゃった　階段のぼれるかどうか分かんないわ………ヤブイチャオー………ハイミナールちょうだい　おねえさん………梅毒のおまんこにウンコ　うんとねじ込もうよ、イレロ　イレロ　ワギナ　ワギナ………ツッコメウンコ………社会変革のうんこを梅毒のおまんこにイレチャオ〜オ　スピロ　スピロ　スピロガリバー　私のとなりに来てよ。さわってくれる？………マラソン金メダル　その日の気分で使い分けているのよ、ジュニア　レギュラー　シニア、今日はシニア、ウンコ………ツッコメ、ヤブケ　シニア　ツッコメ………衛生的なダッチマンのおちんこふみつぶそうよ………アベベはボクにとって　真理を探求する！………どこかのGOGOスナックの方がよいだってえ〜　ネェ　踊ってると見えちゃうよ、でもすてきよね、そうでしょ　すすぐメンスってめんどうだろう？　このうんこあんたにやるよホイッ………あんたのだぜ！　オイ　レノン、コッチコイよ。メンスメンス　今行く………ツッコメ　ウンコ　イッヒヒッ　ねじこめ　ウンコ　スピロまんこ　イッヒヒッ　梅毒ですよ、オスカーワイルド　キザな乞食だっでねじ込めうんこ　スピロ、スピロ………スピロワギナ　ツッコメウンコ、サンタマリアのおまんこにねじ込んだうんこ誰の？　レノンのうんこ、スピロスピロ…………モナリザのおまんことマリアのおまんことどちらが大っきいの、どっちかな？　れい子ちゃんのほうがもっと大きいよ……ピース吸おうかな…………何時？………入れる？…………痛いわ…………サワッテ………ウンコ………ギロチンシュルルッ………サワッテ………えっ……

明るくなる

サブマリンに乗り込んでいる
フーテン達裸になる
メインホールに新聞紙がひるがえる
客を軽蔑する高らかに
客に向けて言う

さあっカンテラを持って駆けろ、かけろよぉ！捜せ　さがせよぉ　今テレビで何をやっているか？捜せ！マンモスの子宮を照らせ　くさかったらマスクをしなさい。ザ・ガァドマンのライトでもいい。真昼のアスファルトにかがめ、劇団駒場が見えるだろう　車の屋根に乗れ！走れ！ボンネットを蹴って踊れ！空冷エンジンにおしっこをかけろ！さあカンテラを手に夕刊を買いに走れ！マンモスのワギナを照らせ　臭かったらマスクをしなさい。ガリバー　週刊誌に物乞いするのはやめろヤメロヨォ　飢え死にしろよガリバー　陽がのぼった。カンテラに灯をともせ、テレビを探せ！コマーシャルを探せ、おまえたちのトイレットパピエを探せ！芥正彦はどこに！劇団駒場を探せ！青山かも知れない。マンモスハレムを駆けろ　アジテータを探せ　アベベを探せ！泳げ　ここか彼処か……はたまたどこか　うっちらこっこどおどおどっこ　ペンペコペンチョ…………生産ハレムのうじ虫ども、さあ夕刊を買いに走れ、407 7526だ。10円玉一つで芥正彦と電話で話ができる今日　テレビだ！今日のテレビのチャンネルはどれにする？パンティでマスクを作るのとブラジャーでマスクを作るのではどっちがより子宮のにおいを防げるか、さあ、カンテラを持ってごはんを食べろ！うじ虫共、ハーレムを支えているのは誰だ。マンモスの週刊誌は誰？太陽が昇る、カンテラを持って走れ、生産ハレムのうじ虫！脳みそを灯して駆けろ、ミソ汁を作れ、太陽が昇る、太陽が正午を知らせている　脳みそに灯をともして走れ　ハレムを駆けめぐれ、太陽が照りつける、カンテラ脳みそ手にして走れ太陽が照りつけるおまえらのカンテラは何ルクスださあ、テレビのスイッチだ、おまえらの脳みそは何ルクスださあ夕刊を買いに走れ！お前らの脳みそは何ルクスだ　さあ　夕刊を買いに走れ！太陽は昇った──テレビのスイッチだ　おまえらのカンテラだ、タイヨウハノボッタ、タイヨウハノボッタタイヨウハ………
海の中かもしれない。とても黄色だ！キラキラ輝く。

（映画が入る）

その辺にイタズラ書きしだすものもいる。床やサブマリンへ

（ホールの中へはりめぐらされたスクリーンにエフェクトがかかる。）

あのね、科学って自由のことなんだってよ。プラスチックだって科学が作ったんだって、自由ってなんだべ、セックスのことじゃない？そうかっ　自由ネ　おまえたちの科学で何ができる！？うじ虫科学　どれいの脳みそウハハハー！みてみろ　あの顔イッヒッヒッ　あの顔…………
動きませんねだめですよやっぱり（サブマリンを動かしそうとしている）配水管はどうかね、宮井さん、アンテナはどおどすか写る？

リンゴー、「モナリザ」の後、買い換えたはずだよね？

はい、レノンさん、別に何処が悪いって訳じゃ…………ガソリンはマンタン

現時点では、三派全学連は構造の一つだから、コーラを飲めばデモするのと同じなの知っている？
アップルはユートピアメタファーで構造じゃないわ、ねえ？わたしの子宮ねぇ　安保の中でふくふく肥えたのよ。いっくらでも肥えちゃうのよ、アングラも食べちゃうの、警棒がいいの

（女たち金髪のかつらの男を輪姦しだす）

我々はサブマリンで目的を達するために派遣されたのだ。あくまでもこのイエローサブマリンの前進に全力をかける。それが我々のすべてであり、サブマリンだけがゲバラにキャンディを手渡すことができジョン・ウェインにパイを渡すことが可能だ。
バンザァイ　バンザァーイ

♀　ウーンもっともっとねえ──

♂　だめだ、こんどはこの娘。平等に仲よく

♀　なによ、ねえ〜もっとよ。あと10年？

♀　ヤダー　今度私よ

見ろ！！ゆゆしき出来事、ガリバー何をしてるの？
あのヤンキーを殺せ！
やっちゃえ〜。

コーラだけおろすのはいけませんよォー
大島先生みてて下さぁい！
アゴラさん「わが祖国」です。「わが祖国」をやって下さい（さっきの朝鮮人）毛唐の毛をむしれば「唐」になる。情念の男！重労だ、メス犬を追いちらす、ひっぺがす！ヤンキーをなぐる！ける！たたく！うっちっちっちっ　ホン投げるアリババ一、笑うガリバー　捨てるピエロー、ドブ河にとび込むトイレ　ハリスンでんぶ！　ママンココホレ、パパチットインポ！　芥くん！ウォーイエローサブマリン！！

「レディマドンナ」or「Y.サブマリン」入る。
つづいてエンジン音
つづいて映画
つづいてテレビ
つづいてライトが客を照し出す
レディマドンナ回転数狂う

うわ、動いた、動いた。アレ　だめだ、いや大丈夫よォー　ホラ　やっぱりね。ハレムのせいだよ、このしめりけがいけないんだ、このでっけいおまんこのしめりけがエンジンによくなかったのよ。
大島渚の息子みたいなのいたね　さっき
オレヤダ。そんなのホットだ。はずかしいよ、ワギナのしめりけがないと　ひからびちゃうよ。

映画とたわむれている
洗濯機を回している
R&Bを踊っている
しばらくしてヤンキーが一人で叫び出す
トラックを降りてマイクの前に立つ

アイムヤンキ　おいらアジアに於けるこのトヨエースの限りない繁栄と前進を保証しているんだ。みろ、おいらのおかげだ。リズムアンドブルースもスクリーンも洗濯機だって回っている。ジャパニーズダッチワイフを飼ってるのだウシシ　コーラで洗いながらやると気持いいだ。クッククウ！クックククウ！ヴェトナムダッチワイフは時たま破裂するから危険だ。だからこのトヨエースみたいには繁栄しない。うてばすぐひびくのも快感の一種だ。ホワイト&イエロー
何という軽薄さ。この軽薄さこそ平和と繁栄の源なのです。おいらは思う。さっきおいらのこといじめた。おいらの手をかんだ。これ軽薄さじゃない。おいらは遺憾だ。イエロージャップのぼせるな。米くっちゃくさいうんこしてるくせに、この栄養失調！おいらケネディだって殺せるよ　二匹死んだ。LBJだってコーヒーだぞ、EXPO70の配給のミルクだれがくれたと思ってる。民主教育ってのは給食のミルクのことだぞ。このDDT！しらみ！のみ！イエロースケルトン！アジアはおいらのハレムだぞ、演習だぞ　ドルの売春宿だぞ　ドルだせば　だれだってアジアだぞ　おいらとベッドだそ　おい聞いてんのかよ、えっ　おい、おまえらぜんぶおいらのおもちゃだぞ　人間じゃねえんだぞ、おいらおこるぞ　バカにすんな………

──何ぐずぐず、言ってんの、ダダこねるんじゃなくてよ、図体ばっか大っきくてだめねえ　ろくにリズムもとれねえで。音痴かいあいつ、ダメナノヨォ！ホラ、イバッテないでふくれたピンキーペニスしまいなさい。たらたらたれて臭いじゃないの、いいこと、おとなしく、このサブマリン押してればいいよ、ね、そうそう、いい子ねえ……キスしてあげるわホラ押しなさい……ホラオシナサイ　ホラオシナサイ（リフレイン）

女、こういいながらムチでヤンキーのおしりをひっぱたいてひきあげる

みんなフリーセックスしはじめる
「ビートルズナンバー」入る
そのうち又、映画が映る
セックスに飽きる
サブマリンから鶏が出てくる、みんな指さして言う
そのうち映画の中に映るものをいちいち声に出していう

ニワトリ！ニワトリ！ニワトリ！ニワトリ！……

横のりちゃん　横のりちゃん　横のりちゃん
マンガマンガ　マンガマンガ　マンガマンガ　
テレビ　テレビ　テレビ　テレビ
オンナ　オンナ　オンナ　オンナ　etc

GSが歌い出すとその名前をいう。そのうち観客に視線がうつる

カンキャク　カンキャク　カンキャク　カンキャク
見てる　見てる　見てる　見てる
ごはん　ごはん　ごはん　ごはん　etc

ミュージカル『氷河時代』入る

○サブマリンを中心にして輪になって踊り出すが、そのうち外に行ったり二階に行ったり
○メインスクリーンに〔我々のタイトル（ガリバーが作る予定）〕が写し出される

①ヒピーイピー守に出るキュルルン！
ラリパッパフーテン狩りに出る　キュルルン！
マイクロイッピー　守りに出る　キュルルン！
猿の惑星　狩りに出る　ゴオゴオ！
マンモス走る　ビューンビュンッ
高速道路だ　100km／hだ、
マンモス走る　ビューンピュンッ
卵管通ってやってくる子宮地下鉄サブウェイ
バルトリン腺だ　丸の内
ヒピー　殺して運び去る
子宮地下鉄　サブウェイ
イピー殺して運び去る
バルトリン腺だ丸の内
ラリパッパ殺して運び去る
卵管通ってやってくる
二進法だぞ　サブウェイ
イレックトロニクス　サブウェイ
子宮地下鉄　サブウェイ

女フーテンラリパッパ

踊り、かける、走る、ころがる、とびながらOh ! Yellow submarin！を叫ぶ

メスのヒピーだイッピーだ
氷とけたぞ　卵子（たね）を蒔く
高速道に爪をたてて　ギッギー
メンス　肥やしだ　ジァージアッ
女達は　タネを蒔くのよ
女達は　タネを蒔くのよ
女達は　タネを蒔くのよ
Oh！　ジスイズ　スペルマ
Oh！　ジスイズ　スペルマ
Oh！　ジスイズ　サブマリン

②ヒピーイッピー仮面をつける　オハ　オハ
ラリパッパふうてん仮面をつける　オハ　オハ
マイクロイピー仮面をつける　オハ　オハ
鳥の仮面だマイバード
鳥の仮面だマイバード
靴もはかずにひた走る
ヒピー達はひた走る　ハウ　ハウッ
高速道路をひた走る　ハウ　ハウッ　ハウ　ハウ
卵管レールのサブウェイ

子宮地下鉄サブウェイ
バルトリン腺だ丸の内
メンス肥料だ　ジャーッジヤッ
ヒピーイピーなだれこめ
スピロワギナに　なだれ込め
スピロワギナに　なだれ込め
ラリパッパふうてん　なだれ込め
みんなメンスだ溺れ死ぬ　オー！イェローサブマリン
みんなメンスだ溺れ死ぬ　オー！イェローサブマリン
オー！ジスイズ　スペルマ

女たちは　タネをまくのよ
アスファルトに爪たてて　ギィーギッ
アスファルトに爪たてて　ギィーギッ
女達はタネをまくのよ　オー　ジスイズ　スペルマ！
女達はタネを蒔くのよ　オー　ジスイズ　スペルマ！
女達はタネを蒔くのよ　オー　ジスイズ　サブマリン！
Oh！　イエローサブマリン

③子宮トンネル　マンモス走る
マンモスワギナ　二進法
ヒピー　イピー　イレクトロニクス
マイクロイピー　テレビちゃん
ふうてん達を　えさにして　マンモス肥える　ワギナが肥える
マンモス　マンモス　つまかまぬ
鳥の仮面だ　マイバード
猿の惑星　マイモンキー
マンモス　肥える　つかまらぬ
マンモス　つかまらぬ
マンモスワギナのメンゼスだ
マンモスワギナの濁り血だ　ゴォ　ゴオッ
メンスあふれて　大洪水
メンスあふれて　大洪水
マザレスチャイルド潜水艦

Oh！　イエローサブマリン　ハウ　ハウ！
Oh！　イエローサブマリン　ハウ　ハウ！
ロムロスレムスのi替水艦
Oh！　ジスイズ　サブマリン
親父ペニスを食いちぎる
親父ペニスを食いちぎる
フーテンベイビー骨と皮
ラリパッパベイビー骨と皮
プラステイクをかじり出す
イレクトロニクスをかじり出す
飢えと寒さと大洪水　Oh　ジスイズ　マンモスメンス
メンス溢れて大洪水　Oh　ジスイズ　マンモスメンス
コーラのメンス　益れでる
コーラのメンス　ザァーザアッ
コーラのメンス　ザァーザアッ
Oh！　ジスイズ　プラスティク
Oh！　ジスイズ　プラステイク
Oh！　イエローサブマリン
Oh！　イエローサブマリン
Oh！　イエローサブマリン

④ファザー　ヒピー　ノンペニス
ファザー　ラリパ　ノンペニス
ファザァ　イピー　ノンペニス
外は寒いし　メンスのコーラ
外は寒いし　メンスのコーラ
オールイズ　ニード　サブマリン
オールイズ　ニード　サブマリン
ファザァ　ヒピー　火をたいて
女と抱き合い　ベイビイを　殺す　キュッキュッ
女と抱き合い　ベイビイを　殺す　キュッキュッ
Oh！　ジス　イズ　マンカインド
ベイビイ　殺して　ハンバーガー
ベイビイ　殺して　ハンバーガー
Oh！　ジス　イズ　マンカインド
とてもおいしいハンバーガア
とても　幸せ　マイホーム
ファザァ　ヒピー　ノンペニス
マザァ　ヒピー　ワギナが肥える
オー　ジス　イズ　マイホーム
オー　ジス　イズ　マイホーム
ロムロス　レムスは何処かしら
マザァ　ふうてんメンスがたれる
ロムロス　レムスは何処かしら
ファザァ　ふうてん　しなびたペニス
We all　イン　ザ　サブマリン
We all　イン　ザ　サブマリン
We all　イン　ザ　サブマリン
Oh！　ジス　イズ　サブマリン
Oh！　ジス　イズ　サブマリン
Oh！　ジス　イズ　スペルマ！

大分バテたろうが、もう一番やることにしよう。

⑤マザレスチャイルド　潜水艦
ソドムとゴモラのメンスの海だ
大洪水だ　アララット
ビューン　ビュンッ
ザブザブ進め　ハウ　ハウ　ハウ！
メンスの洪水アララット
マザァを犯せ　都市つくれ
プラステイクだ　マイクロだ
イスメネワギナ　つき破れ
ビューン　ビュン
ザブザブ進め　ハウ　ハウ　ハウ！
マザァ　卵管　コーラのふただ
スピロワギナのサブウェイ
ピンチコックだ　しめあげる
二進法だぞ　サブウェイ
メンスコーラだ　イレクトロニクス
子宮地下鉄サブウェイ
イスメネワギナ　二進法
女達はタネをまく
メガトンアトムボン
爪たてて　ガリガリギィコギイコ
メガトンアトムボン
爪をたてて　ガリ　ガリ　ギィコ
女達はタネをまくのよ
オー　ジス　イズ　プラスティクバレン
女達はタネをまくのよ
オー　ジス　イズ　プラスティクバレン
コーラのメンスあふれでる
オー　ジス　イズ　大洪水
スピロワギナのマンモス肥える
オー　ジス　イズ　ザ　ジャパン
オー　ジス　イズ　ザ　ジャパン
Oh！　ジス　イズ　スペルマ
Oh！　ジス　イズ　スペルマ
Oh！　ユー　ア　スペルマ
We all　イン　ザ　サブマリン
We all　イン　ザ　サブマリン
We all　イン　ザ　サブマリン
We all　イン　ザ　サブマリイイイイン！！！

○しだいに暗くなる

（みんながサブマリンにかじりついてコーラを飲んで微笑んでいる）
（更に暗くなる）
（トヨエースの上で暗黒舞踏が行われる）
（“君が代”が入る）
（一人の男、スポットを浴びて群に上品に語り出す。天皇であることがわかる。）
（舞踏クライマックス）
（ニワトリがホールを歩いていくかもしれない）
（サブマリンの食料である）

──今日という日を私は待ちつづけたのでした。二千年という長い間──

私の先祖があのスキタイの平原から馬にのり兵士をひきつれ海を越えてこの地を平らげてから今日まで。私は待ちつづけたのでした。私の古墳が作られないために。そしてはじめて君達に出会えた！
はじめて君達が成し遂げた。はじめて君達が私の心臓に、ひいらぎの十字架を突き刺した。既に“父”たりえない私のペニスを食いちぎり、私の代りに権力を代行していた“母”を犯し、全き自らの出生を断ち切った君達。かつて“父”だった者として私は嬉しいのです。君達がいる。ここにいるというだけで嬉しいのです。権力の輪にコンドームを捨てるこの文化の中で、民主教育のこの文化の中で、権力のスピロヘータ的な永劫回帰からあやうく脱け出し、自らの足で、自らのぐうたらさの中に立つことによって、はじめて自己権力の呪縛を解きほぐした君たち！君達は私の十字架を背負っている。君達自身の足で！
私は君達を待っていたのです。子宮外妊娠した君達があの廃虚の中に産み落されてから23年、私は子宮外妊娠の君達を思いつづけてきたのです──。
さあ、今日から私も一緒にラリパッパふうてんをしなければ。ハイミナァルを手に、L・S・Dを手に、ヒピー・イピーの列に我が身を投じなければ、私の皇居を君達の“グリーン”に転じよう。私は佐トくんの作った体制の中で死ぬ訳にはいかない。私はぐうたらの限りを尽くさなければならない。彼らが生き残っている以上、忌わしい子宮内生産を焼き尽くさねばならぬ。私も君達と同じサイケサイケのラリパになろうではないか。ぐうたらの限りを尽くし、私の名のもとに死んでいったバカな何百万という愚直な人達、君達の父や母のことだ、その者達の死をあがなおう、ぐうたらの限りをなすことで。

（フーテン達『ラリパッパのおうた』〈佐藤信作　作詞・林光　作曲〉を口づさむ）
（アゴラも）

ラリパッパ　ラリパッパ
すてきなラリパッパ
ピンクの子馬の
やわらかなマアチ
ラリパッパのひとつぶ
ラリパッパふたつぶ
ラリパッパみつぶで
花を折れ
……　……
……　……

（つづいて、天皇）

──さあ元老院からはさようならをしよう。子宮内生産からはさよならだ。自己権力による自己救済からはさよならさ。繁栄をおもちゃに一生懸命遊ぼう。何百万人という人が死んでくれているのだから、若者は甘えられるだけ甘えなければ。アメーバ赤痢や栄養失調でバタバタ死んだのだから、文化をおもちゃにしてどんどん遊べ、ぐうたらに生きよう。平和をどんどん消費しよう、高らかに歌え。国会議事堂などはプラモデルにすぎぬ。プラスティックの猿のおりだ。たまにはセンベイのひとつでも投げてあげよう。そうすれば栄作くんはもっともっと私たちの為に“繁栄”おもちゃを作ってくれる！そういう猿なのだよ、彼は。君達は遊べ！人間の作り出す全てのプラスティックおもちゃで遊べ。私も細工絵出律駆に狂いたい。“乳色の噴水とつぶやき”など私には関係のあるはずないのだ。私にはバカな芸術家も詩人もいらない。（天皇急に咳き込む）

（あえぎあえぎ最後の力をふりしぼって）

──私も全てをおもちゃにして遊ぶ。……すでに私の肉体は、私の力は尽きた！私は帰らねばならぬ。時計が12時を打つ、帰らねばならぬ……妻や子供達を連れ、あの遠いスキタイの平原に戻らねばならぬ、遥か砂漠の向うへ、あのユーラシアの片隅へ……スキタイの片隅へ……
さあ！君達　高らかに歌え
……君達の君が代を
……君達の君が代を……
私の役目は終る、そうすれば………
私の役目は終る……終る……

（フーテン達、“君が代”のメロデイで『ラリパッパのおうた』を蛮声を張りあげて歌う）
（天皇死ぬ）
（フーテン達、先のミュージカルで汗かいたので着物を脱ぐ、洗たくしだす）
（綱をホールに張って洗たく物を干す、以上をやりながら客に話しかける）

オイオイ！？何そんなとこに座ってんだオイ！何してんのそこで！？洗たく物手伝って、メガネなんかかけてないでさァ、大学出のヒットラー！大学出の田舎っぺ！しょんべんやろう！オイ！MG5の、オイ！エメロンシャンプー！カラーテレビのヒットラー！ルームクーラーのヒットラー！花マルキの味噌汁食って芝居見に来たんだろ！ハイライトと連れ込み宿のヒットラ一、スナックのゴキブリ、スモカで磨いたからっていいってもんじゃねえんだ。ルームクーラーのヒットラー、生協食堂のゲッペルス！自動車会社のニーチェ、日比谷公園のリビドフロイト！東大の犬ソクラテス、おまえらの自尊心なんざ犬もくわねよバカ！さっさと東京湾に捨てて来な！水洗便所で押し流せ、クソッたれ！　ピッ　シュ　マン！ピッ　シュ　マン！大和ゲルマン　イッシシ、オーイヤダ、飯がまずい！あの笑い方あの顔、きれいなおべべ着て、学ヒ値上げ反対などやるスケベ女子大生、うんこおじょうちゃん、エゴのメス犬、セックスのメス猫、おじょうさん、すすぐリンスは面倒でしょ、自由ってのは自尊心の満足じゃねえぞ！マイホームママンの予備軍……いっぱいいるネ、さっさとおまんこおっぴろげてフーテンでもして来な！そんなにてめぇのおまんこ大事かよ、タンパックス、そんなひっついたインテリおまんこ誰も欲しがんねぇんじゃないのォー　チンチン野郎がひらきなおると戦争が起こるぞよ、きおつけよォー！さあ青だいやもう一度左右！くそったれ！ハイライトと連れ込み宿のトロッキー　明色アストリンゼン　パチンコとマージャンのレーニン！法学入門・経済学入門て本持って電車乗ってよダッチワイフ！ウフフ、パイロットインキ！ミンミン鳴こうマルクス教、福祉国家のプロレタリアートだってよ、モダンアートでも見てるんじゃない？くそったれ！黄色い顔したダッチマン、肥料製造器！そりゃ昔だよ、ビッシュマン！オナニーのメス犬、セックスドッグ！セックスドッグ！セックスドッグ！！田舎っぺのひらき直り、何も生れない、極めて非生産的よ、チビチビのドジョッコ野郎！自虐自虐のユートピア、ユートピア待ちきれずのオナニーか。みんなヒットラーになりたいのよね、モンブラン！コップ！マッチ！　自尊心の化物、マイホームの帝国主義、おまんこ民族のすけべ野郎！おまんこ民族の助兵野郎共！！すけべっと民族のおまんこ国民、ウヘヘヘヘェ、ポリプロピレン！子宮地下鉄サブウェイ、バルトリン腺だ、丸の内、バルトリン腺だ西銀座。
あのネ、社会主義ってネ、みんながマイホームを営めるようにッてのが目的なのよ、だからもう役たたずよね、そうでしょ？ガリバー。そいでね、共産主義ってみんながヒットラーになれる国にするのが目的なのよ、分ったよ、わりかしキザでしょ、ガリバー。資本主義ってのはネ、みんながみんな猿になることができんの。割かしいいわね。ねずみ男ってあんたのことでしょ、おおさとくんってスノッブね。臆病スノッブで首くくれ！サイケサイケのうじ虫とはいっしょけんめい洗たくしてるよ。バカだから、インテリ部落民はうちうちひしがれているよ。アッ、そいでねえ福祉国家っていうのは国家が悪を独占する国のことよ、日本もソ連もだからオンなじ。分かる？このフィーリング　うん、すずしいよ、わりかし。誰が独占してるか分んないとこがとてもミソなの、赤だしよォ。自己のカンテラで街をかけろ！ダッチマンに自由なんかないんだべ。自由ってセックスのことじゃないの、あれによってしか人間性を回復することはできないそうよ。バカバカバカあいつバカ！
ちがいます？ゴキブリ性の回復ですよ。それは猿を回復することもできません。ボクはパンツを干すことによってもセックスを味わえるよ。メラメラだよ。やせたソクラテス達は自らを解放することもできないのであります。知識人は去勢された犬よ、密室すねえ。
幼児のような心情と気違いじみた自尊心に支えられて蓄積した知識がいつも内部で矛盾いている。ウヘヘヘ、ちっともジンテーゼできないのです。そしちゃ　年中いたたまれない。コンプレックスを感じてるのねネ。コップでもそういうこと感じる？　自己権力の犬、エロダクションのルンペン、権力の犬！おれ達のこと見てる。「ポリプロピレンにとって美とは何か？」「ゴキックブリアットにとって美とは何か」考えるこったざ、ウハハハァー

（そろそろサブマリンにみんな集まってくる頃）

うちひしがれた者よ！気の弱いおちんちん達よ！「タンパックスにとって美とはなにか」まず、「社会変革のうんこ」を欲しがるのだねえ。そして「真理探求のうんこ」を欲しがるナンミョオホレンゲキョー・レーニン教よ、マルクス教よ、諸々の宗教人よ、小ヒットラーよ、自虐のヒットラーよ、自由！自由！と叫べ！飢えたる者は寝てしまえ！そうすればもっとお腹がすくであろう！

（ステージ、この辺でモップス歌い出す）

よしんば、そのもうもうたる自由の煙が東京をうんこにし、アングラのうじ虫たちが東京をそのフンだらけにしたところで何が残るよ、何が残る。体制うんこが流され、そして何が残る？再び誰がヒットラーだか分らないマンモスのワギナができるだろう。再び悪を一人占めされた国家の中にいることに気づくだろう。
バフォー　バフォー　メンゼス　バフォー　バフォー　メンゼス！……（くり返す）
そして再び偽善のマンモスがおまえ達を踏みつぶす。なぜ、ならおまえ達が偽善の小マンモスだからだ！　おまえ達は所詮、偽善の犬で偽善の猿であるからだ。すべからくおまえらの口にしていた自由も真理もマンモスの子宮で、その、おりもののコーラの中で溺れ死ぬであろう。ああこの偉大なメンゼス！バフォー　バフォー　メンゼス！
虚構は一現実でしかないのよ、現実が一虚構でしかないのと同じようにね。だからといって虚構が全き現実になるというのは、信じるのは勝手だ。しかしそれは宗教でしかない。諸君！思い込む猿は強いからそれもいいだろう“マンキーにとってモンキーとは何か”
ああこの自己権力の海原、Oh！海原　Ohジャリ！ジャリジャリいるこの自己救済の海原、抑圧と自虐の単振動の動物、風俗のブタと、すけベペニスのスノッブ！未解放部落民のインテリオラウータンたち　ああ、ダッチワイフの群、ダッチマンの群、セックスのメス犬、セックスドッグ、俗悪マンモスに化ける諸々のヒューマンモンキー　絶えず逃げまどうゴキブリ、絶えず逃げまどう犬、猫、猿、バンザァーイ、バンザァーイ、さあ自殺しろ、今からだって遅くない。“オラウータン犬猫猿”
（“オラウータン犬猫猿”拍子をとって繰り返す）
アルベール・カミュの死をおまえたちは償わなきゃいけねえ！さっさとくたばれ！自殺しろ！今からだっていいよ。くたばれえ！シュコロ、イチコロ、キンチョーレ！シュコ口、イチコロ、キンチョーラァー！すべてのものはくずれちゃう、シユッコロ、イチコロ！すべてのものはこわされよ、さっさとくたばれ！犬猫猿！すべてのものに原爆を投げつけようよ、タバコあったらくれよ、あ、ありがと。つまらん。

（暗くなっていく）（第一群、“ふうてん”しだす）
（「予科練の歌」のR&B入る、第三群の連中踊る）
（ファッション・ショーでもやりたところ）
（そのうちメインスクリーンに“ピエタ”がうつる）
（ガリバー、ライトを浴びている）
（“ふうてん”達、苦しみだす、うめく、よじる、のたうつ、訳が分らないのがペストにかかったみたいに）
（ガリバーがおごそかに口を開く、実はキリストなのである。スクリーンにポップのピエタ）

ガリバー　ズビズビズウズビズウ虚飾！Oh！　海原──。ズビズビズウ……ぼくは芥からこのライトをもらった──。
すべては作られたものだ。宮井くんは作られたものしか好きなれないと言う──すべては裁かれた。
すべて裁かれた所から始まる、あらゆる善をなせコップ、さすれば人間もハエのように生きながらえよう──。Oh！　海原あらゆる悪をしよう　Oh！スペルマ　さすれば人間だってあたかもハエのように死ねる
──ボクは8月に式根島でたくさんのマリアとおまんこをした──Oh！　メンゼス！彼女達はみんなボクの母であっただからボクは大勢の母とおまんこをしたことになるのです──このライトをボクにくれたのは芥くんだ
そして彼はこれを手渡しながらボクに言った“おまえの親父は死んだよ、おれとおまえが殺したのだゲタハゲハハハ”Oh！愚かなさまよえる人よ、コップよ、マイ・アイトレイ・ベビィよ、そして幾多の無限級数のハエよ、ガリバーバエよ、地に落ちよ！たコップのように！人間のあらゆるベクトルは、たかだか一匹のハエが地に落ちることにすぎぬ。コップよOh　コップ──ボクは式根島で映画もやってきたし浜辺を一生懸命走ったりもした──その間にマリアの子宮を照しつづけた芥くんはこのライトでボクの父を殺してしまった。三位一体はくずれた。すでに私の約束は、あの聖なる約束を記した書はもう、てんで紙きれにすぎない。私の母の子宮は大きすぎた──私の母は処女でありながら大きすぎる子宮をしていた。処女のまま私を身ごもってしまった。そうしておきながら今になって私を自分のベッドに誘い込むのだから私だっていやだ。私を欲しがるのだから。私はもうコップだ。そして今日私は滅びたのだ──
──ボクは立命館大学で集合論を習った──ハエに収束していく無限級数的な極限地を近傍から求めることができるなら、すでに私などいらないのだ。すでにヘヴンはいらぬ、絶対いらぬ、芥くんのライトはあの太陽よりもまぶしいのだ、とてもまぶしい。ハエはコップで私は滅びた。イエスはハエにすぎぬ、コップにすぎぬ、私は二度と復活しない、あの黒々と塗りたくられたポップのピエタが私なのだからね、諸クン！　だから母は、サンタマリアは、私を自らの胎内にひきづり入れたのだった。乳飲み子を食ったのだ──ボクは唐十郎クンに言ってやろうと思う。このことを──Oh！　コップ　パリサイびと、パリサイびと、方舟を持たぬパリサイびと！　パリサイびとの群！パリサイパリサイびとパリサイパリサイ……
Oh！　海原、コップ、私には死がやってきた。ああまぶしい、まずしすぎる。まぶしさこそ自由であり、その自由こそ尊厳さであり、尊厳なくして自由はない。まぶしさなくして存在はありえない──ニーチェくんがボクの心臓に匕首（あいくち）をつきたてながら教えてくれた。ボクはこのことも唐くんに言ってあげようと思う。そして大島くんにも教えてあげよう。だって、このまぶしさはなにあろう、の“父”の死とひきかえに私が芥くんをはじめ皆んなにやった。

（2階から風船がいくつも落ちてくる。黄色で50㎝ぐらいの大きさ。周囲にはりめぐらしたスクリーンはエフェクトできれいだ）

身動きできない“恐怖”なのだもの。（どなる）まぶしさによる告発だもの。“存在”というのは意識しか残んない“恐怖”なの！！“自由”というのは告発されることです──！！恐怖、このいさましい空虚を！芥くんはまるでフランスパンをかじるように食ってしまう。これでい。これでい。Oh！海原フランスパン、さよなら、ドンクのフランスパン
さよならガリバーみんな、コップ！
さよなら、ハエ！猿コップ！
さよなら、ガレリアガレリアガレリア……

（こう云いながら2階から降りてき、ロビーからサブマリンに来る。ひよこか何か抱いてる）

──ハエ・サルのもはハエ・サルに返して我らは行こう。（と云ってひよこをサブマリンの上におく）

──シモン、早く行こう、（ガリバー）まだ？

──私の子供はまだ生れない。我々の子供だ。シモンだ。（芥）コンドームのはきだめの中に、愚か者の小便池の中に、このへどへどとうんこのプールに、ガリヴァ、何故我々の子供が生れねばならぬ。殺された胎児シモンのソーセージを食いながら走る愚か者の船に、なぜシモンは再び生れねばならぬ。
この腐れ果てたモナリザのおまんこは全部ガリバー君にあげるよ。持ってきなよ。いいゾォ全部源氏部落にあげるよ

──ホント？ウワァ　スゲーナ　いいの（ガリバー）

（風船をおとす）
（さっき2階から落ちた風船を喜こんで拾い集める）
（しかし芥の仲間次々とその風船をパンクさせてしまう）
（結局ガリバーは悲しくなる）
（ステージにのぼってスクリーン前で奇声を発する）
（そうしてやっともとのふうてんガリバーにもどる）
（スクリーンにメインタイトル）
（“イエローサブマリン”流れてくる）
（水音）
（エンジン音）
（ざわめき）
（まわりのスクリーンにイフェクト）
（シモン高所に立っている）

──我々の船はどこへ行くのかしら、シモン！しらけた海へカンテラをかざし、何処へ行くのシモン、やさぐれふうてんビートルズは？サロメに会いに行くんじゃないでしょう？シモン！おまえのいとこを殺した女の所へ行くんじゃないでしょう？おれ達にピラトーは問題じゃないなずだもの　シモン！映評の重臣みたいなものだもの。おまえのやせた体ではサロメはあまりに柔らかすぎるよシモン……おまえのスペルマでは足らなすぎる……シモン

──おれはシモンだワイルドなんかじゃないよ芝山クン。ウーム　オールウーミングトゥーム　あたかもテレマコのように──。

──シモン応えてくれ　何処へ行こうというのだ。シモン！藤森さんがうちでゴハンを焚いて待っているというのに。答えてくれ　シモン、それでは彼女が可哀想だ。佐藤信クンだって、きみはれい子ちゃんに少しつ冷たいんじゃないかって云っていた。（麿くんみたいだ）

（このとき電話のベルが鳴る。シモン受話器を取る）

──もしもし、なにネプチューンも死んだ……そう。その方がいい、その方がいい、それでいい。私生児は決して怪物じゃないのだからね。私生児は隠れているのではないからね、いつもハエの中にハエのようにいるものだ、ああそれからね、ボクにはもう歌声もいらぬサイレンに伝えといてくれたまえ、歌声などいらないっていいね。いらないのだよ、そう、うんうん現在位置？今“ユーフラテスをさかのぼっているところ”それだけ教えてくれればいい、うんじゃ、どうもありがとう。

（受話器を置く）

シモンは元気だ。諸君！いいニュースだ。すでに我々はマンモスの子宮から溢れ出た偉大なるメンゼスの海を乗り切った。我々は今、ユーフラティスをさかのぼっている。

諸君！地中海のワギナからは脱出したのだオー　THIS IS サブマリン！

──ガリバーは何処へ行ったのだ？シモン

──ガリバーはボクのあげた腐ったおまんこもろともに、ペルシャ湾へ沈んでいった。ネプチユーンは死んだ。そしてシナル平野へと還元されていく　さあ　我々の船はカフカーズを越える、肥沃な平野は我々にはいらぬ。三日月よさよならだ。シュメル、カナーン、アモル、ウンムカタ■（編注：■解読不可能）

──何処へ連れていくのだ、シモン、ガリラヤで休もうではないか

──ユーラシアへ！アーリアの馬の、スキタイの馬の！

──アララットではないのか！ゴルゴダではないのか！テル・ア・ジュダイダの土器を探しにいくのか？

──ゴルゴダへ行くのではない。アララットなぞ私は知らぬ！美しい土器でもない。ユーラシアだ。無限に大きい、とどまることがないアーリアの馬の、スキタイの馬の、天山の麓タクラマカンへ！或いは遠くゴビの砂地へ！墓のあるところ、我らが父の底なしのくぼみ！大いなる砂地！大いなるコスモ！

──誰の墓があるんだい？シモン、そこに？

──アーリアの馬の、スキタイの馬の、私の私を身ごもったモナリザの墓が！あのマンモスの子宮の墓が、まぬけ大通りの墓が、すべてをはらむ大いなる砂地！大いなる死の墓が……大いなるコスモ──

（シモン、天に向かって立ち、足踏んばって叫ぶ）

（芥の10月に生まれる赤んぼが芥に向かって云う如く）

おお父よ──天を掴む父、大いなる樹よ！平穏に君臨する男根よ！すべてのプラズマの父よ、私の全ての精子と引き換えに私の五十億のスペルマもろとも捧げよう父よ！──私に、あなたの墓を探すすべを与えよ　私に、あなたの墓を探すすべを　父よ、大いなる樹よ！私にこの疲れた果てた犬どもの列の真中（さなか）で生き永らえよとおっしゃるのなら、父よ、私にあなたの黄金の頭と、その死のマントを──！そしてあなたの男根を乗せて走る黙示録の馬を！漆黒の馬を、アーリアの馬を、我が両手に、父よ！

（あるいはビートルズかツァラツゥストラに向かつて云うように）

私には我慢ならぬのです、父よ　私の取り巻きが私という名の下に村落共同体の輪を作り、そのゲージを私の名の下に回転させる。疲れ果てた彼ら犬どもの自己権力には耐えられませぬ。私はすばらしく“物”なのです。父よ、私なしにはこのトラックのエンジンがかけられぬ彼らの為に私は……すばらしく“物”なのです。だからこそ、狂おしく“物”なのです。

──（ガリバー）　芥、おまえの子供がおまえに去ってんだろう。（ネズミ男がチャチを入れた）

──（誰か）　ビートルズがツァラトゥストラに相談しているのだ。

私は、父よ、全き“美”です。たまらなく“美”なのです。彼らのために私は遠くあなたの墓へとこの船を導きましょう。あなたのすべて孕む死の基へ、父よ！とどまることないコズマまずしさよ　それなのに分かりませぬ　父よ、私には耐えられませぬ、私をこの猿族の列へ、ハエ族の列へと下知ならしめたあなたのお気持が分りませぬ。まぶしさを下さっておきながら、いつも生き残るのは猿ではありませぬか。ハエではありませぬか。なぜ、いつも生き残るのは猿なのでありますか。父よ、なぜ！猿なのでありますか、それならば父よ！私はありとあらゆる、あなたのハエ猿をのせ私は、私もろともにあなたの墓へとこの船を進めましょう。できる限りのハエ猿をこの酔いどれ船に積んで今あなたのところへと走っていきましょう。

（“悩めるにビートルズ！！”とヤジがはいる。）
（シモン、“あなたの胸のバラのように”と答える）

そして私はすばらしく“物”であり全く美しく輝いて……あなたの所へ……（シモン消えていく）

（“悩めるビートルズ！！”とヤジが入る）
（女たち悩んで、いるビートルズには興味がない）
（一人の屈強なる男を取り囲みいちゃつく、口うつしでコーラを飲ましたりしている、他の男がそのコーラを奪う、そのうちコーラのある箱を求めて政権交代劇がくり広げられる、……ベーター・ヴァイスに彼の芝居のつまらなさを教えてあげよう……）
（第2群や第3群も入り乱れて）
（一時の静けさ）
（突然、音楽『軍艦マーチ』『伊勢佐木町ブルース』『イエローサブマリン』祭と斗争が終った後、三ついっぺんに鳴り出す。そのうち誰からともなく出演者はすべて自分の行為を捨ててゾロゾロスクリーン前に集まる。ステージは鈴なりになる総動員令がひかれたのかもしれない。）
芥、突然仲間にリンチを受ける。全員少しずつ前に進んでくる。芥、ムチで、バケツで、ラジオで、ピーカンで、ことごとくの体制をくらう。全員少しずつ全身してくる……芥死ぬ。と突然、芥、客を見回しかけ出す。そんななかで一番美人の女に接吻して、サブマリンに一気にかけ登りけいれん二度三度。全員誰からともなく、シモンだけにする。全き静寂、あらゆるホールの機能は停止、明りだけがこうこうとついている。無言。芥の手足が痙攣のような単振動をくり返している。2階から新聞紙の一枚ぐらいパサァーッと落ちてきてもよい。風船も2・3個落ちてよい。そのうちガリバー、バツ悪そうに、はにかんで出てくる。メジャーを取り出し、坐っている観客と距離を計り出す。あるいは芥と芥のキスした女との距離。芥の手足は不規則な単振動をくり返している。この頃は、他の連中も金しばりからはずされだす。と同時に、テレビの音がホールいっぱい聞こえる。ガリバーが仲間にメモをとらせている。客を分類しているようにもとれる。

──ええとコップが24・25……27こだっ。
──それに教科書が17冊
──えっ何冊ゥ！？
──ジューナナ！！
──分ったァ！
──タバコの吸いがらが31コ

（テレビがうるさいからどなりあっている）

（芥、接吻と痙攣をくり返す）
（ものすごく明るい照明）
（にわとりの首をナタでちょんぎる、仲間の女を強姦する）
（そのうち痙攣だけになり、次第にゆれが少なくなり、ピタッと硬直状態）

──ハイ　タバコスイガラサンジューイッコ！
──次は食卓塩の空になったビンが　90コ。キュージュー
──ハイ、キュージュー
──テレビのツマミツマミ、ダイアルのこと、これが131こ
──ナニ！テレビのツマミ！？うんそれがァ！？
──ヒャクサンジュウイチ　131だ、131ッ
──分った、次ッ
──蚊取線香のブリキの線香立てがネ、ブリキのセンコ立て
──ウン、それが！？
──173コ　ヒャクナナジュウサン　173個！
──ヨシッ　ヒャクナナジュウサンだな！
──いらなくなった蛍光灯が、いいかァいらなくたった蛍光灯がねぇ、一万二千三百一、イチマンニセンサンビャクイチ・イチマンニセンサンビャクイチ！次！！コンピューター付きの、コンピューター付きの通風装置分る？電子頭脳のついてる通風装置、いいかい、それが一億三千二百七十三万七千七百二十二台。いいかもう一度云うぞォ！コンピューター付きの通風マシーンが一億三千二百七十三万七千七百二十二台──！
──うん通風マシンね、それは、
──そしてェ　オートマチックのカーエレベーター　オートマチックのカーエレベーターがいいい！？7の一億剰個7の一億剰個ね　次は完全自動の、だからフルオートの輪転機がだァ、3の一億九千万剰台、いいかァ、そしてやはりフルオートの地下鉄及び輸送パイプが7万かける23億回路、いいな、そしてやはりフルオートの科学肥料製造ボンベが、いいかい、完全自動の科学肥料製造ボンベが、これは一人当りだ、一人あたり977万個、いいかい、977万個だよ一人当り。次もやはり一人あたり、フルオートのマッドマシン（ルビ：きちがい機械）が43万台、43万だ、一人当りのフルオートのマッドマシンが43万！次がソウルマシン、これも勿論フルオート、一人当り、71万5千台。ソウルマシンが一人あて71万5千台。ソウルマシンの次はリミットマシンだ。リミットマシンが一人当て、二千万七千台、リミットマシンが一人につき二千万七千台。プレイスマシン！プレイスマシン！！が七五〇〇万！マッドマシン　リミットマシン　ソウルマシン　マッドマシン！マッドマシン！！そしてコップ吹いガラ。ブリキの切れはし。ホチキス。そしてコップ（全員）そしてコップ　そしてコップ　そして……（こう言いながら）そして　俺達は歴史だ　ヘア！ヘア！ヘア！

ガリバー達　ハップニングをやり出す
（第三群劇中で「観客」）

劇駒は、そのままこの芝居を続行する。芥はだからここで天皇も演じることになる。

（再び全員がホールステージ前に集まってくる。）
（芥、薄笑いしながら、もうすっかり遂落している。はじき出されたのだ。）

僕だって天才になれると、田中さんは　はっきりと僕に言った。そして田中さんはZiZiで働いている。だからコップはゆれているよ。ちっともバクハツしようとしやしない。だから、れい子ちゃんはボクのことなんか愛していやしないよ。にわとりがコッコッコッコ言うから、にわとりがぼくの目の中から入ってきてぼくの脳みそをひっかきまわすのも　ホラア　ひっかきまわしているもの。歴史だもの。コッコ　コッコ　ほらみてごらんテレビがとけて流れ出す。おまえピエールダミアンか、となりの幼稚園にいっているやっちゃんがピエールダミアンか？　ピエールだみあんか？コップだあ……コップだあ……　コップだあ……（スキップしながらホールを走る）コップ……コップ……コップ……コップ……歴史だもの。とてもコップだもの。
おじょうさん！　すすぐリンスはめんどうでしょォ──アジサイの花はゆれていますねえ、デンターライオンです。たまらない9月です、風でェす　風でェす　風でェす　とても風でェす　とてもアジサイです　とてもマックスウェルですよお……とても9月ですよお──
紀の国屋で買ってきたんです。ぼくはZiZiでネスカフェをのむんです。ぼくは紀の国屋のスーパーマーケットでマックスウェルを買うんです。ぼくはスーパーマーケットでアイスクリーム売ってもらいます。とても　とても　とても　とてもだぁ　とても　とても　とてもだぁ　とても9月だ、とても歴史だあ　ぼくはZiZiでコーヒーを飲むんですよ、おじょうさん　とても　とてもリンスですよ、とても　とてもホントです、髪の毛ですよ歴史ですよ　非常に洗んですよ──スーパーマーケットで存在を買うんですよぉ。ご主人元気ですかあ　ぼくはたばこが吸いたいです、れい子ちゃんも家で待ってんです。田中さん、ぼくれい子ちゃんに歴史を買ってあげます。だからとてもれい子ちゃんです。ぼくはうちで、れい子ちゃんのおまんこをなめるのです。昨日も夜も舐めましたよ。明日も舐めるつもりなんです。田中さんは、スプーンでなめるんですね。丸山さんから聞きましたよ、あっそうだ、瓜生さんはトンカチでなめるんです。ボクは知っています、田中さんですね、拳銃兄弟ですね……
（床によつんばいで）
おまえピエールダミアンか　それとも、となりのよっちゃんか、もう9月だものマックスウェルだよホラ、れい子ちゃん　れい子ちゃんシモンだよ（ピョンピョンはねながら）シモン生まれてこいよ、れい子ちゃんは10月11日が予定日だといっていたのにねっ、もう9月だもの、アジサイだよ、ZiZiのように、おまえピエールダミアンか、風だ　とても風だ　ネスカフェだ　とてもネスカフェだ　ぼくは四つんばいで行くんだ。死ぬようにZiZiなんだ。ぼくは一生けん命マックスウェルだよ　れい子ちゃん今日舐めてあげるね。マックスウェルでおまんこを、とてもきれいに舐めちゃうからね。もう9月だよ、ぼくに朝歯をみがきながら9月だよ。田中さん、ここね風ふいて来るよ　とても風なんだよ。おまえピエールダミアンか？9月なのに（シモンに）おまえはまだ、リプトンじゃないの？れい子ちゃんは、ペニスみたいにブルックボンドだそうだよ……シモン風だね。だけど、おまえは　なんておまえだろう。ボクは、狂いじみて歯をみがくのに
東條クンッ、君一人ではできないのか？ボクは忙しい
ピエールダミアンよ　9月へアジサイが咲いたみたいだ。何て忙しいんだ　五十六クン君は？ボクはチンかね？マックスウェルかね？ボクはひとりで風を感じているというのにたまらないほどにチンはシモンなんだよ。
栄作クン　ボクはネスカフェかね、リプトンかね、ピエールダミアンよ（客に）
（このときだれか「ネスカフェだ」と言うと）そうだ　ぼくはたまらなく四つんばいなんだ！そうなんだ！（駆けて行って倒れる）（地面に倒れて　手足をバタツカセル、コント55号のように　一瞬静寂として　芥　極めて不機嫌　無表情で起き上り）

シモン　風がふいている。風がふいている。すでに芥くんは白いとても白いのだ。
（スクリーンにメーンタイトル）
（シモン背中にスライドを浴びる。）

ホールすごく明るい　芥とガリバーいないが、みんな歴史を背中にくっつけて単振動している。
芥、ガリバーにあげたカンテラを持って来て海をピョンピョンと通り抜けていく
ガリバー追いかけて来た
スクリーンにタイトル
みんな自分の■（編注：■解読不可能）
モップスは歌■■（編注：■■二文字解読不可能）
スクリーンに「END」と入る。客が帰るまでエンドレスで
そして「一群」「二群」「三群」みな始まるときの状態